トイ・ストーリーに登場するウッディやバズ・ライトイヤーといったオモチャたちの持ち主といえばアンディ。オモチャたちはこの少年を幸せにすることを心から望み、彼に対して強い忠誠心を持っている。それだけアンディがオモチャ思いの心の優しい少年だということもある。
しかし視聴者がアンディについて知っているのはおそよその程度の情報ではないだろうか。そこで今回はアンディの家族を始め、特に父親について掘り下げてみたい。シリーズを通じて決して登場することのなかった父親には一体どんな秘密が隠されているのだろうか。
トイ・ストーリーのアンディの家族構成
トイストーリー・シリーズを追って見ていくと、アンディの家族構成は簡単に分かる。アンディ本人、妹のモリー、そして母親の3人だ。トイ・ストーリー1ではアンディは小さな子供だったし、モリーもまだ赤ん坊だった。それがトイ・ストーリー3では二人ともすっかり成長した姿を披露している。
気になるのはシリーズを通じて一度も姿を現さなかった父親の存在である。劇中、父親の名前や話題が会話に出ることは一度もなかった。しかし細かいシーンを追っていけばどうしてアンディに父親がいないのかが浮かび上がってくる。答えはずばり「アンディの母親と父親は離婚している」だ。
アンディに父親がいない理由
1、アンディ一家はトイ・ストーリー1で大きな家から小さな家に引越していた
赤ん坊のモリーが生まれて間もないにも関わらず、アンディ一家が以前に住んでいた大きな家から小さな家に引っ越すシーンが映し出されている。
子供が生まれて小さな家から大きな家に引っ越すことはあっても、その逆は珍しいこと。よほどの経済的理由、つまり父親と母親が離婚したばかりだとすれば納得がいく。
2、壁に父親の写真がない
壁に家族の写真を飾るのを習慣としている家庭にはもちろん父親の写真だってあるはずだ。しかしトイ・ストーリー1においてアンディの家には父親の写真が飾られていないのが分かる。もし父親が離婚ではなく亡くなっていたら、なおさら壁に彼の写真が飾られていないとおかしい。
3、アンディの母親が結婚指輪をしていない
トイ・ストーリー1でアンディの誕生日にアンディの母親がプレゼントを持ってくるシーンがあるが、その左手の薬指には指輪がはめられていない。
妹のモリーがこの時点で赤ん坊であることを考えると、つい最近まで父親はいたはずであり(いなければモリーがそもそも生まれない)、もし最近になって亡くなっていたとしたらしばらくの間、母親は結婚指輪を使い続けるはず。このことからも離婚説が有力となる。
4、監督の幼年期
トイ・ストーリーシリーズで編集、共同監督、監督などを務めてきたリー・アンクリッチはあるインタビューでトイ・ストーリー1の制作段階のときからアンディの父親を登場させないことで話がまとまっていたとコメントしている。
ただその理由は明らかにされていない。ちなみに偶然か必然かリー・アンクリッチは10歳のときに両親が離婚している。その後、彼はずっとシングルマザーの母親の下で育った。
5、ディズニー映画のお約束
「ディズニー映画の主人公に母親がいない理由」でも紹介したとおり、そもそもディズニー映画の主人公、あるいは主要の登場人物には母親か父親がいないことが多い。そのほうがストーリー上、登場人物が成長していく、自立していく過程を描きやすくなるからだ。