ディズニー映画は放映される国によって一部に編集が加えられたりすることがある。「ベイマックス」の韓国版は日本語表記が英語に変更されたシーンがあったが、それも一つの例である。
そしてまた「インサイド・ヘッド」でもアメリカ版と日本版ではあるシーンに違いあるという。お馴染みのシーンなのに、おそらくこのことにはまだ誰も気づいていないだろう。
インサイド・ヘッドの各国バージョン
問題のシーンはこちら。ライリーがお父さんに野菜を食べさせてもらうシーン。アメリカ版と日本版を見比べてその違いに気づくだろうか。
アメリカ版
日本版
比べてもまだその違いに気づかない人もいるんじゃないだろうか。そういう人はもう一度アメリカ版と日本版の野菜に注目してもらいたい。そう、アメリカ版はブロッコリーなのに対し、日本版はピーマンなのである(日本の予告動画ではブロッコリーのまま流れている)。ではなぜこんな編集がされたのだろうか。
理由は簡単。アメリカ人の子供にとって嫌いな野菜の代名詞といえばブロッコリーだが、日本人の子供にはピーマンのほうがしっくり来るからだ。その国の食文化にまでこだわり、ディズニーは内容を変更したのである。ちなみにピーマンはアメリカではピザのトッピングなどに普通に使われる野菜で、それほど子供に不人気ではない。
本作のピーター・ドクター監督はこれについて「映画の内容が特定の国では意味を成さないことを知ったんだ。例えば日本ではブロッコリーに対して気持ち悪いという印象がなく、子供たちは大好きだそうだ。だから彼らに聞いたんだ、どの食べ物が気持ち悪いってね。そしたらピーマンって言われたよ」とコメントしている。
変更があったのはそのシーンだけじゃない。例えば欧州や南米のある国ではホッケーのシーンが次のように変わっている。
そう、その国の人にしっくり来るようにサッカーになっているのである。本作では他にもイマジネーションランドの中の標識や看板などをそれぞれの国の言語に合わせて翻訳したりしている。ディズニーは常に世界中の人々のことを考えて細かいシーンのひとつひとつにまでこだわり抜いているのだった。
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