不思議の国のアリスを題材にしたファンタジーアドベンチャー「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」がヒット作品を連発するディズニー映画にしては興行成績でかなり苦戦している。では一体なぜ不振なのかその理由を分析してみた。
まずは予告動画をご覧ください。
1、原作とほとんど関連性がない
ティム・バートンが監督の前作の「アリス・イン・ワンダーランド」はイギリス人作家ルイス・キャロルが書いた原作を基にアレンジを加えて実写化した作品だが、今回の「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」は全くのオリジナル。ファンは長らく続編を待ち焦がれていたものの、前作が2000年に公開されてから今回の続編公開までには実に6年も経っていて原作のないオリジナルストーリーの脚本製作に手を焼いていたと考えられる。
原作から大きくかけ離れたストーリーは多くの場合、世界観を壊し、原作ファンをがっかりさせることにもなるので今回の評価につながった可能性が高い。
2、物語の辻褄が合わない
今回の重要なストーリーラインとなるのがタイムトラベル。アリスが過去に戻ってマッドハッターの家族を救うのが目的だが、かなり早い段階でアリスは過去を変えられないことを理解する。赤の女王が子供の頃、頭を打ってトラウマを抱えないように事故を阻止しようとしたけれども、結局は同じ結果になったこともそれを強く裏付けている。
ところが赤の女王が自らクロススフィアを使って過去に戻り、自分と再会すると時空が破壊され、不思議の国が滅亡へと追い込まれてしまう展開になっているが過去は変えられないのだったらあの下りも変わらないはず。
3、不思議の国のキャラクターたちがほとんど活躍していない
不思議の国のキャラクターのうち本作でストーリーと強く関わっていたのはマッド・ハッターぐらいで、そのほかのトウィードルダム&トウィードルディー、アブソレム、白ウサギ、チェシャ猫はほとんど出番がなく、ただそこにいるという印象が強い。白の女王も前作ほど、見せ場がなく存在感が発揮できていないのが惜しい。
一方でタイム、赤の女王、アリスの3人だけで基本物語が進行していたことから、せっかくのかわいいキャラクターたちが活かされておらず、子供受けしない原因にもなっている。
4、ジョニー・デップの演技がわざとらしい
前作がヒットした背景にはジョニー・デップが演じるエキセントリックなキャラクター、マッドハッターがばっちりはまったことにある。
しかしながら今回彼の役柄はそれまでの陽気で周囲を笑わせてくれるキャラとは違って家族を失い、悲しみに暮れ、周囲に当り散らすような、ネガティブなキャラクターに一転。その役を演じるためにジョニー・デップは大げさに子供がすねたような演技をすることになり、ベストパフォーマンスとはほど遠かった。
5、敵キャラがダサい
タイムの子分であるセカンズたちが合体し、ミニッツに変身する。さらにそのミニッツが合体し、アワーズになると、その姿はまさにトランスフォーマーのようでオリジナリティーに欠ける。
これまで不思議の国に登場してきたのはウサギ、猫、芋虫といった動物だったのが、ここにきて急に場違いなロボットが登場することに違和感を覚えた人も少なくないはず。
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