子供たちを怖がらせるのを仕事とするモンスターたちの痛快コメディーアニメ「モンスターズ・インク」。2001年公開の映画だが、いまだ根強いファンを持つ作品には多くの隠しメッセージが存在する。そこで本作のトリビアをここに一挙まとめて紹介する。
1、トイ・ストーリーの飛行機
物語の序盤、モンスターたちが次々と子供たちの部屋に入っていくシーンで、男の子がベッドで寝ている部屋の棚にトイ・ストーリーの飛行機の玩具が置いてあるのを見つけられただろうか?
ちなみにこの飛行機はトイ・ストーリーでアンディの部屋の天井にある飛行機と同じもの。バズ・ライトイヤーがぶら下がって「飛べるんだ!」と気合を入れる、ストーリー上でも重要なアイテムだ。
2、ゴジラからのレックス
サリーとマイクが外出中、横断歩道で信号待ちをしていると、なにやら巨大な脚が画面に飛び込んでくるシーン。実はこの正体はトイ・ストーリーの恐竜の玩具レックス。
レックスは実際はこんなに巨大ではないが、モンスターズ・インクの中ではティラノサウルスの実物大という設定になっている。
というのも、もともとはレックスの代わりに日本の恐竜ゴジラが起用されるはずだったのだ。しかしゴジラの権利をを持つ東宝がこれを拒否。ディズニーと東宝の夢の共演は幻となった。
3、ヒデン・シティー・カフェ
店員のモンスターが歩道を掃除しているのを尻目に客のモンスターがコーヒーを飲みながら一服しているカフェのシーン。
実はこの「Hidden City Cafe」は実在するコーヒーショップ。1994年にトイ・ストーリーを製作中だったピクサーのクリエイターであるジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン、 ピート・ドクターらがこの場所で作品について語り合った記念すべき場所だ。
この場所からバグズ・ライフ、モンスターズ・インク、ファインディング・ニモ、ウォーリーなどのアイデアが浮かんだといわれている。
4、アルマゲドン
ゲートが開き、モンスターたちが作業場に入ってくるシーン。サリーを先頭に多くのメンバーがスローモーションで登場するこのシーンは映画「アルマゲドン」がモチーフになっている。モンスターたちがやたら格好付けているのはそのためだ。
5、モンスターの名前
モンスターズ株式会社では子供たちをどれだけ怖がらせたかによってランク付けがされるが、そのトップ争いをしているのがサリーとランダル。
しかしほかのモンスターにも目を向けるとある法則が分かる。3位のランフトはピクサーの脚本家で、トイ・ストーリーも担当したジョー・ランフト。
最下位のガーソンはモンスターズ・インクの脚本を担当したダン・ガーソンが由来となっている。
6、アンディの部屋
サリーの最大のライバルといえばランドール・ボッグス。トカゲのような体を持ち、変幻自在に体の色を変えることができるモンスターだが、ランドール・ボッグスの登場シーンで、青い空と雲の壁紙に体の色を合わせるヒトコマがある。
実はこの壁紙は、トイ・ストーリーのアンディの部屋の壁紙と同じなのだ。もしかすると、アンディはランドール・ボッグスの玩具も所有している可能性が高い。
7、スティーブ・ジョブス
作業場のデコレーションにもトリビアが隠されている。風船などと一緒に吊るされたメッセージの紙ビラ。そこには「THINK FUNNY 面白く考える」と書かれている。
実はアップルの創業者であり、ピクサーの生みの親でもあるスティーブ・ジョブスの有名なキャッチ・フレーズ「THINK DIFFERENT 発想を変える」が由来となっている。
ちなみにマイクが小包から本を取り出すシーンでは、本の裏表紙にアップルコンピューターの写真がある。その下には「Scare Different 怖がらせ方を変える 」と書かれているのが分かる。
8、ファインディング・ニモ
ディズニーアニメでは必ずといってほど、次回作の作品の隠しメッセージとして紹介されることをご存知だろうか。モンスターズ・インクではその次に公開された「ファインディング・ニモ」のキャラクターが度々登場するのはそのせいだ。
例えば寿司屋でのヒトコマでは、タコの職人が魚をさばいている下りで、ニモが壁に描かれている。また、ブーの部屋にはニモのぬいぐるみもあり、ブーがサリーに手渡すシーンまである。
9、ブーの部屋
その他にもブーの部屋はトリビアの宝庫だ。劇中、何度もブーの部屋においてあるのがピクサーボールことルクソボール。このボールはピクサーには欠かせないトリビアとなっている。
さらにブーの部屋のテーブルに置いてあるのがトイ・ストーリー2で登場するジェシーの玩具だ。
10、ブーの本名
本作の可愛い人間の少女といえばブー。実はブーは本名ではない。ただ、モンスターたちからそう呼んでいただけなのだ。
実は劇中に彼女の本名が明らかにされている。絵を描くのが大好きな彼女が紙に自分の名前を書いていたのだ。
その名はメアリー(MARY)。ちなみに彼女の声を担当しているのはメアリー・ギブス。ピクサーのスタッフであるロブ・ギブスの娘である。
11、中華料理屋の箱
寿司屋でマイクがデリバリー用の箱の中に埋もれるシーンで登場するのが中華料理屋の箱。実はこの箱、バグズ・ライフ、トイ・ストーリー2、インサイドヘッドなど他の作品にも度々現れている箱だ。
12、ピザ・プラネット
マイクがドアの向こう側にランドール・ボッグスを投げるシーンでは、ランドール・ボッグスのシルエットがトレーラーの中に現れるが、このトレーラーとその横にあるトラックは、ピクサー映画では毎回お馴染みの架空のピザ屋ピザ・プラネットの車だ。ピクサーファンの中ではこのトラックを探すことが毎度の楽しみになっている。
まとめ
あなたはこの中からいくつ見つけることができただろうか。まだ全部見つけられていない人は、もう一度ぜひ見直してみよう。