インクレディブル・ファミリーにはこれまでのピクサー映画の中でも最も多くの隠しメッセージが含まれている作品のひとつだ。そこであなたが気づかなかった本作のトリビアを詳しくまとめておく。
1、アンダーマイナー
前作のラストに登場したアンダーマイナーが本作では序盤にいきなり登場する。
実はこのキャラクターはマーベルコミックのファンタスティック・フォーに登場するヴィラン、モールマンがモチーフになっている。
というのもインクレディブルシリーズ自体のアイデアがこのファンタスティック・フォーからインスパイアされているからだ。
ちなみにアンダーマイナーの声を担当する俳優のジョン・ラッツェンバーガーはこれまで全てのピクサー映画に参加している唯一の人物。
ファンの間ではジョン・ラッツェンバーガーがどのキャラクターになるのかを探すのも楽しみの一つとなっている。
2、ポルターガイスト
ジャック=ジャックのスパーパワーのひとつに壁をすり抜けていく能力がある。これはダイメンショントラベル(次元移動)という能力で別次元に移動した彼の声を聞くことができても、その姿は見ることができない。
それはまるで壁から赤ん坊の声だけが聞こえるという不気味な状況だ。実はこれ映画「ポルターガイスト」がモチーフになっている。
ポルターガイストでもフリーリング一家の末っ子が別次元に引き込まれてしまうシーンがあり、助けを求める声だけが聞こえて姿が見えないという下りがあるのだ。
ちなみにポルターガイストのフリーリング一家の父親を演じているのは俳優のクレイグ・T・ネルソン。
そしてインクレディブル・ファミリーのパー一家の父親ボブを演じているのもまたクレイグ・T・ネルソンだ。
3、ザ・インクレディビール
ミスター・インクレディブルことボブの愛車であるザ・インクレディビール号は前作の序盤に登場して以来、すっかり姿を見せなくなってしまった。
ヴィランとのバトルによって壊れてしまったかに思われた車だったが、実はある金持ちがコレクションとして保管していたのだ。劇中ではダッシュがリモコンでザ・インクレディビール号を取り返し、両親を助けに行くときに使っている。
ちなみにザ・インクレディビール号は陸でも海でも走る水陸両用車であることが判明しているが、これは映画「007 私を愛したスパイ」をモチーフにしたものだ。
4、A113
ピクサー映画に必ず出てくる暗号といえば「A113」。本作にももちろんこの暗号が登場する。それも一度ではなく何度も登場するので全て見つけてみよう。
まず一つはイラスティガールが脱線を食い止めようとするモノレールの車両にある。もう一つはイラスティガールがスクリーンスレイヴァーが映ったモニターを見る部屋にも登場する。
また、イヴリン・ディヴァーとの戦いで使われるフェリーにも同じ暗号が記されている。
そして最後はヴァイオレットがボーイフレンドのトニーとデートで行く映画館の看板にある。そこで上映されているのは「Dementia A113」。
敏感な人はすぐ気づいたはず。そう、「Dementia A113」とこんなところにも暗号が隠されているのだ。
ちなみに「Dementia A113」とは実在する映画「Dementia 13」をモチーフにしたもの。
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5、チャイニーズボックス
チャイニーズボックスと呼ばれる中華料理屋のお持ち帰り用の箱もまたピクサー映画では欠かせないアイテム。
本作ではパー一家がモーテル暮らしになったときに最初の晩に食べた料理が中華料理だった。他のトリビアと違ってこれは簡単に見つかるはず。
6、トゥリプルデント・ガム
映画「インサイド・ヘッド」で初めて登場した架空のガムのブランドといえばトゥリプルデント・ガム。
このガムの広告が本作で一瞬だけ登場する。そのシーンとはイラスティガールがバイクに乗って悪党を追いながら駆け回るシーン。ビルの壁に広告があるのがそれだ。
7、ルクソボール
ピクサー映画の象徴的なアイテムといえばルクソボール。別名ピクサーボールとしても知られるこのボールも必ずといっていいほどピクサー映画に登場するが、本作も例外ではない。
ルクソボールが現れるのはジャック=ジャックのゆりかご。そこにはルクソボールの絵がプリントされている。一瞬だがちらっと映るので注意して見ておこう。
8、アッシャーのカメオ
米人気R&Bアッシャーが本作に友情出演しているのを気づいただろうか。そのシーンとはボブ、ヘレン、ルシアスの三人がウィンストン・ディヴァーの屋敷に招待されたときのヒトコマ。
彼らが屋敷に到着すると、フロゾンことルシアスの大ファンであるという男が彼らが出迎えるが、その男こそがアッシャー演じる脇役キャラだ。
これについてはアッシャー自身がツイッターでつぶやいている。ツイッターでは「フロゾン、私はあなたの最大のファンですー6月15日(公開日)に僕と映画館で会おう!」とコメントした。
9、保険会社
前作のMr.インクレディブルでボブが務めていた保険会社を覚えているだろうか。会社名は「INSURICARE」。
結局、ボブは会社を首になってしまうが、本作では会社のマグカップが登場する。ボブは会社を辞めてからもマグカップをずっと家で愛用していたのだ。
10、バットマン
本作にはバットマンのモチーフがいくつも隠されている。例えばボブがスーパーヒーローを呼ぶときに使う赤い電話。あれは昔のバットマンシリーズでバットマンが使っていたものと同じ電話だ。
また、バットマンのお馴染みのセリフも登場する。家族で食事中、ダッシュは次のようなことを言う。
「We wanna fight bad guys! It defines who I am. 悪者を退治したい!そうすることが自分が何者であるかを定義付けるんだ」
これがバットマン・ビギンズでバットマンを言ったセリフと極似しているのは偶然ではないだろう。ダッシュはバットマンに憧れているのだ。
11、ピザプラネット
ピクサー映画にほぼ毎回登場している自動車といえばピザプラネットのデリバリー車。本作では車種が従来の自動車とは違って1950年代のクラシックカーになっている。
その車とはこちら。イラスティガールがスクリーンスレイヴァーを追い詰めたときに一瞬右端に映るのがほかでもないピザプラネットのデリバリー車だ。
12、サファリ・コート
パー一家が一時期滞在するモーテルといえばサファリ・コート。実はこれ実在するモーテル「サファリ・イン」がモデルになっている。
というのもサファリ・インはディズニースタジオから数ブロック離れたところにある有名なモーテルで、これまでに映画「トゥルー・ロマンス」や「アポロ13」といった作品でもロケに使われたことがある。
13、モーツアルト
劇中、ボブがエドナ・モードの家でジャック=ジャックの特別な能力を再確認するシーンで、ボブは息子がモーツアルトの音楽に特別な反応を示すことを知る。
一体なぜモーツアルトなのか。それはインクレディブルのスピンオフ短編映画「ジャック・ジャック・アタック!」でジャック=ジャックのベビーシッターを担当した女の子カーリが赤ん坊の教育にいいとしてモーツアルトを聞かせていたからだ。
ちなみに短編「ジャック・ジャック・アタック!」はDVDのボーナストラックとして収録されている。
14、トニーの記憶
ヴァイオレットが密かに恋心を寄せる男の子といえばトニー。彼は物語の序盤でヴァイオレットがスーパーヒーローとして活躍しているのを目撃してしまい、リック・ディッカーによって記憶を消し去られてしまう。
このシーンも実は短編映画「ジャック・ジャック・アタック!」を基にしたものだ。スピンオフ映画ではカーリが記憶を消されていた。
15、エンドロールのおまけ
本作にはエンドロールの最後まで見た人のために重要なヒントが残されている。そこでスクリーンに現れるのはなんとアンダーマイナーだ。
ボブとヘレンが捕まえられなかった唯一の悪党であり、アンダーマイナーのせいでパー一家はスーパーヒーローの活動を停止するはめになった。
そんな因縁の相手が愛用するドリル自動車がさっそうと走っていくところでエンドロールは幕を閉じる。
これが意味するもの。そう、つまりアンダーマイナーはまだ生きているということ。そしてインクレディブル・ファミリーの物語はまだまだ続くということだ。
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