2017年11月22日に全米で公開されたディズニー・ピクサーの最新アニメ「リメンバー・ミー」。各地で高評価を得ている本作のあらすじを一挙紹介する。
リメンバー・ミーの筋書き
12歳のメキシコ人少年ミゲルはメキシコ史上最高のミュージシャン、エルネスト・デ・ラ・クルスのようになりたいという夢を抱いていた。
しかしミゲルの家系は代々楽器を弾くことを禁じられていた。というのも曽祖母ママ・ココの父親は音楽に狂い家族を見捨てた過去があるからだ。
メキシコ人にとって家族は一番の宝物。それを捨てるような魔力のある音楽は家族にとって呪いでしかなかった。
家族や友人達が集い故人を偲ぶ「死者の日」、各家庭では祭壇に先祖の写真を祭り、先祖に最大の敬意を捧げる。そんな中、サンタ・セシリアの広場では音楽コンテストが行われようとしていた。
ミゲルは自分の夢を叶えるために家族の反対を押し切ってコンテストに参加することにする。しかし肝心なギターを祖母に壊されてしまい、誰からも借りることができず、仕方なくエルネスト・デ・ラ・クルスの墓に祭られたギターを拝借しようとする。
ところがギターに触れた瞬間、ミゲルは死者の世界へと誘われ、死者の姿が見えるようになり、逆にこの世の人たちからは気づかれない存在となってしまう。
死者の国でミゲルはママココのお母さんであるママ・イメルダなど先祖の人たちと遭遇する。そこでミゲルはこの世に戻るには日の出までに彼の家族の祈りを受けなければならないことを知る。
ママ・イメルダはミゲルに祈りを捧げようとするが、それにはミゲルが音楽を諦めることが条件だった。しかし音楽だけはどうしても捨てられないミゲルはこれに拒否し、先祖たちのもとから逃げ、エルネスト・デ・ラ・クルスを探すことに。
ママ・ココとママ・イメルダが映っている写真にはエルネスト・デ・ラ・クルスのギターが一緒に映っており、彼こそが自分の曽祖父だとミゲルは確信していた。
先祖から逃れたミゲルは途中、ガイコツのヘクターと出会う。へクターは自分の写真を祭壇に飾ってくれる家族がおらず、死者の国へ密入国し、辺りをさまよっていた。
そんなときにミゲルと出会い、彼なら自分の写真をこの世にいる家族に渡してくれるのではないかと思い、ミゲルと一緒に行動することにすることにしたのだ。
ヘクターはエルネスト・デ・ラ・クルスの居場所を知っていた。エルネスト・デ・ラ・クルスは死者の国で一番高いタワーでパーティーを開催していた。
ミゲルは、他のミュージシャンに紛れてタワーに進入すると、得意のギターを奏で、エルネスト・デ・ラ・クルスの注意を引いた。
エルネスト・デ・ラ・クルスはすっかりミゲルのことを気に入り、ミゲルも彼から祈りを受けてこの世に戻れると信じた。
そのとき二人の間にヘクターが割って入った。実はヘクターもまたミュージシャンで、エルネスト・デ・ラ・クルスの曲は全てヘクターが書いたものだったことが分かる。
生前、家族に会いたくてエルネスト・デ・ラ・クルスとのコンビを解消しようとしたヘクターはエルネスト・デ・ラ・クルスから毒を飲まされ、命を落としていた。
そのことを知ったミゲルはエルネスト・デ・ラ・クルスは自分が思っていたような尊敬に値する人物ではなかったことに気づく。
真実を知られてしまったエルネスト・デ・ラ・クルスはヘクターの写真を奪い、へクターとミゲルを闇の底へと突き落としてしまう。
そこでヘクターは自分の娘に自分のことを思い出してもらいたかったことをミゲルに打ち明ける。その娘とは他でもないココのことだった。そう、ヘクターこそがミゲルの曽祖父(ひいひいおじいちゃん)だったのだ。
ちょうどそのとき、上のほうで犬の鳴き声が聞こえた。ダンテが臭いをかぎつけて救出にやってきたのだ。ダンテの後ろからママ・イメルダも現れる。
ヘクターは自分の妻であるイメルダと久しぶりに再会した。イメルダはヘクターが家族を捨てたのだとばかり思い込んでいた。
日の出までに娘のココに自分のことを思い出してもらわなければヘクターは消えてなくなることにおなる。イメルダは急いでミゲルをこの世に戻そうと祈りを捧げた。
この世に戻ったミゲルはママ・ココの下に走り、彼女の前でギターの弾き語りを聞かせた。それによってココの記憶が蘇り、ママ・ココは父親のことを思い出すのだった。
ママ・ココは引き出しから、一枚の写真を取り出す。そこには祭壇に祭られていた写真の欠片があった。写真にはしっかりとヘクターの顔が映っていた。
一年後、ミゲルの家族の祭壇には写真が増えていた。亡くなったママ・ココの写真が祭られるようになり、ミゲルは生まれたばかりの妹にママ・ココを紹介していた。
サンタ・セシリアではもう誰もエルネスト・デ・ラ・クルスを尊敬する人はいなくなっていた。その代わりヘクターの功績が称えられるようになった。死者の日、ミゲルは彼の家族のためにギターを弾き、歌を歌うのだった。
リメンバー・ミーの元ネタは?
「リメンバー・ミー」はメキシコをはじめラテンアメリカ諸国で祝う「死者の日」にまつわる話からインスパイアされている。
「死者の日」は日本でいうところのお盆に近い祝日で、家族や友人同士が集って故人を思う日のこと。国によって祝い方が違うが、その日に家族でお墓参りをする人も少なくない。
メキシコでは昔、祖先の骸骨を飾る習慣があったことから、この映画でも骸骨がキーポイントとなっているのだ。ちなみに骸骨は死と生まれ変わりの象徴とされている。
「リメンバー・ミー」はまさに生と死の世界をつなげるストーリーなのだ。