話題の新作ディズニー映画、「ベイマックス」。すでに様々なトリビアやエピソードが語られ、様々なシーンについてファンの間で議論が繰り広げられている。中でも多くの視聴者が疑問に思ったシーンの一つが火事のシーンだろう。一体なぜ火事は起こったのか。誰が火事を起こしたのか。ここで検証してみる。
ベイマックスの火事のシーンの謎
サンフランソウキョウ工科大学へ入学を希望するヒロは入学がかかった研究会の発表会でマイクロボットを発表。これが大好評を博して見事合格した。直後、ヒロは兄のタダシと夜景を見ながら発表会の成功の余韻にふける。そこで突然、爆発音が聞こえる。音は発表会の会場から来る。
二人で大急ぎで行ってみると、会場は炎に包まれている。逃げ惑う来場客がそこで一言「キャラハン教授がまだ中にいる」。キャラハン教授を尊敬してやまないタダシはそれを聞いて、自分の命を顧みずに救出に向かう。しかしそこで会場が爆発し、タダシは命を落としてしまう、というのがこのシーンのあらすじだ。ではそもそもなぜ火事が起こったのか。これには様々な憶測が立てられている。
1、クレイテック社長のアリステア・クレイが犯人説
クレイ社長は発表会の直後、ヒロにマイクロボットの技術を売るように交渉する。しかしキャラハン教授が勧めなかったことや金儲け主義の臭いを感じ取ったヒロはこのオファーを拒否。これに逆恨みして会場に火をつけた、というのがひとつの説だ。クレイ社長は儲けのためならなんでもするタイプの経営者。マイクロボットには多大の可能性を感じ取っていたことから、なにをしてもおかしくない。
2、キャラハン教授が犯人説
ご存知 キャラハン教授は後に仮面の男としてマイクロボットを使って悪事を働く男だ。自分を死んだことにして、自分の存在を伏せたうえで、娘の復讐を実行するために火事を起こしたという説。マイクロボットをヒロに無断で勝手に複製して使っていたところからも火事を故意に起こしたとしても不思議ではない、というかなり有力な説だ。
3、ただの火事説
火事は放火ではなく会場にあった機械がショート、あるいは爆発を起こして起こったものだという災害説。そのときたまたまキャラハン教授が現場に取り残され、偶然マイクロボットによって命拾いをした。そこで急にアイデアが浮かび、自分を死んだことにしてクレイに復讐を企てようとした、という考えもできる。しかしただの偶然にしては少し辻褄を合わせるのが難しい印象を受ける。
4、脚本の都合
様々な意見がある中、最も有力な説は、「ディズニー映画の主人公に母親がいない理由」ですでに紹介している。実はディズニー映画では主人公の家族、両親がいない設定にあえてしてあるのだ。というのもディズニーの物語は一環して主人公の成長、自立の過程を描いているからだ。もしタダシがいたままだと、ヒロはタダシに最後まで頼ることになり彼の成長までの過程を上手く描けなくなるのだ。ヒロに両親がおらず、キャスおばさんが親代わりなのも同じ理由だ。つまり火事はストーリー上必然であり、理由がどうであれ必ず起きなければいけない出来事だったのだ。